[編集部作成]ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者は、いずれもIPAが実施する国家試験ですが、想定する対象者、出題範囲、問題形式が異なります。本記事では、現在の公式制度と当サイトの体験記91件を基に、「どれが一番上か」ではなく「今の目的に合うのはどれか」という観点で比較します。

公式情報の確認日:2026年8月29日。試験制度、実施期間、申込方法は変更される場合があるため、受験前にIPAの最新案内をご確認ください。

先に結論:仕事内容と学びたい範囲から選ぶ

  • ITパスポート:ITを利用する社会人・学生として、経営、IT管理、IT技術の基礎を広く学びたい人
  • 基本情報技術者:ITエンジニアとして、システム開発・運用やアルゴリズムの基礎を身に付けたい人
  • 応用情報技術者:IT実務の基礎を踏まえ、技術・マネジメント・ストラテジをより深く扱いたい人

IT未経験者が必ずITパスポートから始めなければならないわけではなく、基本情報に合格しなければ応用情報を受験できないという受験資格もありません。公式の問題・シラバスを見て、現在地と目的に合う区分を選びます。

3試験の位置付けと体験記数

試験中心となる対象主な学習範囲当サイトの体験記
ITパスポートITを利活用する全ての社会人・学生経営全般、IT管理、IT技術の基礎17件
基本情報技術者ITを活用したサービス・システム・ソフトウェアを作る人IT全般、設計・開発・運用、アルゴリズム、セキュリティ49件
応用情報技術者応用的知識・技能をもつIT人材技術、マネジメント、ストラテジと記述問題25件

体験記数は2026年8月時点の当サイト内集計です。試験全体の受験者構成や合格率を表すものではありません。

試験時間・問題形式・合格基準を比較

試験時間・問題数形式合格基準
ITパスポート120分・100問四肢択一、CBT総合評価点600点以上、かつ3分野が各300点以上
基本情報技術者科目A:90分・60問
科目B:100分・20問
多肢選択、CBT科目A・科目Bがそれぞれ評価点600点以上
応用情報技術者科目A:150分・80問
科目B:150分・11問中5問解答
科目A:四肢択一
科目B:記述式
2026年度からCBT
科目A・科目Bがそれぞれ60点以上

ITパスポートと基本情報技術者はIRT(項目応答理論)に基づく評価点で判定されます。単純な正答率だけで合否を断定できません。応用情報は科目Aだけでなく、長文の事例を読んで答える科目Bへの準備が必要です。

出題内容の違い

ITパスポート:ITを安全に活用するための共通知識

ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野から出題されます。IT技術だけでなく、企業活動、法務、経営戦略、プロジェクト管理、サービス管理も含まれます。IT職に限らず、業務でITを使う人が共通して知っておきたい内容が中心です。

基本情報技術者:作る側の基礎とアルゴリズム

科目AでIT全般の基礎を確認し、科目Bでアルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティを扱います。単語の暗記だけでなく、擬似言語や処理手順を読み、結果を追う練習が必要です。

応用情報技術者:実務場面を想定した選択と記述

科目Aでは幅広い知識を確認し、科目Bでは情報セキュリティを含む複数分野から問題を選択して記述します。問題文の条件を整理し、問われた対象と根拠を明確にして答える力が必要です。

目的別の選び方

目的・現在地最初の候補選ぶ際の確認
非IT職で、仕事に必要なIT基礎を学びたいITパスポート3分野を広く学びたいか
学生・未経験者で、ITエンジニアを目指したいITパスポートまたは基本情報アルゴリズム・プログラミングまで学ぶか
開発・運用の基礎を体系化したい基本情報科目Bの問題形式へ早めに取り組めるか
IT実務経験があり、広い応用力を確認したい応用情報科目Aの基礎と科目Bの記述に対応できるか
高度試験の専門区分をまだ決められない応用情報技術・管理・戦略を広く確認したいか

IT未経験者はどこから始めるか

IT用語にほとんど触れたことがなく、まず全体像を知りたい場合はITパスポートが入口になります。一方、ITエンジニアへの転職や情報系学習を目的とし、アルゴリズムまで含めて勉強したい場合は、基本情報を直接目標にする選択肢もあります。

  1. 各試験の公式サンプル問題を少量見る
  2. 分からない用語だけでなく、問題文を読み続けられるか確認する
  3. 週に確保できる時間と、受験したい時期を決める
  4. ITパスポートの基礎から始めるか、基本情報の科目A・Bへ進むか判断する

当サイトのITパスポート体験記では、実務経験なしと記載された例だけでも学習時間に大きな幅があります。資格名だけで決めず、近い条件の体験記を複数確認してください。

基本情報から応用情報へ進むべきか

基本情報で基礎を固めてから応用情報へ進む順序は分かりやすい一方、必須ではありません。すでにIT実務や学習経験があり、基本情報の科目A・Bに対応できるなら、応用情報を直接受験することもできます。

判断するときは、応用情報の科目Aだけでなく科目Bも確認します。知識問題に対応できても、長文事例の読解、問題選択、記述、時間配分に慣れていなければ、科目Bの準備期間を別に確保する必要があります。

2026年度の実施方式で注意すること

  • ITパスポートと基本情報はCBT方式で随時実施されていますが、IPAは2026年12月28日以降の休止予定を案内しています。
  • 応用情報は2026年度からCBT方式へ移行し、科目Aと科目Bを別の実施期間に予約します。
  • 2026年度前期の応用情報は、科目Aが2026年10月28日〜11月10日、科目Bが11月24日〜12月6日です。
  • 2026年度後期の応用情報は、科目Aが2027年2月6日〜2月19日、科目Bが3月3日〜3月15日です。

「CBTだから一年中いつでも受けられる」とは限りません。区分ごとの申込期間と実施期間をIPAの試験スケジュールで確認してください。

体験記から勉強法を比べる

manabiclubでは、3試験合計91件の体験記を公開しています。学習時間だけで並べるのではなく、次の順番で読み比べます。

  1. 実務経験、年代、受験時期が近い事例を選ぶ
  2. 合格例だけでなく、不合格例のつまずきも確認する
  3. 教材名ではなく、通読・演習・復習の使い方を見る
  4. 旧制度の科目名や試験方式を、現行制度と区別する
  5. 複数例から、自分の計画に使える部分だけを選ぶ

試験別の概要・勉強法ガイド

試験試験内容を知る勉強法・体験記分析
ITパスポート試験内容・対象者17件から学ぶ勉強法
基本情報技術者科目A・科目Bの解説49件から学ぶ勉強法
応用情報技術者科目A・科目Bの解説25件から学ぶ勉強法

よくある質問

難易度はITパスポート、基本情報、応用情報の順ですか?

知識・技能の深さは段階的ですが、問題形式も異なります。基本情報は科目Bのアルゴリズム、応用情報は科目Bの長文記述があるため、単純な暗記量だけでは比べられません。

ITパスポートに合格したら基本情報の勉強は不要ですか?

範囲が重なる部分はありますが、基本情報ではシステムを作る側の知識・技能と科目Bへの対応が必要です。ITパスポートの合格だけで基本情報の全範囲を終えたことにはなりません。

基本情報に合格していなくても応用情報を受験できますか?

受験できます。受験資格による順序の制限はありません。ただし、応用情報の科目A・科目Bを見て、基礎不足を補う必要があるか確認してください。

転職に最も有利なのはどれですか?

資格だけで採用結果は決まりません。希望職種との関係、実務・学習経験、成果物、応募書類、面接での説明を含めて評価されます。仕事内容に近い範囲を学び、その過程を説明できる資格を選びます。

古い体験記は参考になりますか?

学習習慣、教材の使い方、失敗の振り返りは参考になります。一方、科目名、問題形式、申込方法、試験日程は現在の公式案内を優先してください。

まとめ

ITパスポートはITを活用するための共通知識、基本情報はITエンジニアの基礎、応用情報は技術・管理・戦略を含む応用力を確認する試験です。順番だけで決めず、仕事内容、学びたい範囲、現在の問題への対応力、確保できる学習時間から選んでください。

公式の位置付けと最新制度は、IPA「試験区分一覧」で確認できます。