[編集部作成]プロジェクトマネージャ試験(PM)は、システム開発プロジェクトの目的を明確にし、計画、チーム、リスク、ステークホルダを管理しながら成果へ導く力を確認する高度試験です。本記事では、IPAが公表している2026年度の情報を基に、試験内容、対象者、他区分との違い、2027年度の制度移行を整理します。

制度や日程は変更される場合があります。受験前には、必ずIPAの試験案内と最新のお知らせを確認してください。

プロジェクトマネージャ試験とは

プロジェクトマネージャ試験は、組織の戦略を実現するためのシステム開発プロジェクトで、目的の実現に責任をもち、マネジメント業務を担う人材を対象とする試験です。単に予定と作業を管理するだけでなく、なぜそのプロジェクトを行うのか、どの状態を成功とするのか、限られた人員・予算・期間でどう進めるのかを一貫して考えることが求められます。

プロジェクトを取り巻く環境や要求は途中で変化します。そのため、当初計画を守ることだけが正解ではありません。リスクや不確かさを早期に捉え、ステークホルダと合意を取りながら、目的を損なわない形で計画や進め方を調整する力も試験の中心です。

想定される対象者と業務

IPAは、システム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトマネジメント業務を単独またはチームの一員として担う高度IT人材を想定しています。実務では、次のような仕事と関係します。

  • システム化構想や計画を踏まえ、プロジェクトの目的・目標を設定する
  • 開発アプローチ、ライフサイクル、体制、工程、予算を含む計画を作る
  • 必要なメンバーや資源を確保し、役割と責任を明確にする
  • 進捗、品質、コスト、課題、変更、リスクを継続的に管理する
  • 顧客、利用部門、経営層、開発・運用部門などと合意形成を進める
  • 問題発生時に原因と影響を整理し、対応方針を決定する
  • 終了時に計画と実績を評価し、次のプロジェクトへ知見を残す

役職名が「プロジェクトマネージャ」でなくても、チームリーダー、PMO、サブプロジェクト責任者などとして計画・調整・評価を担っている人には関係の深い内容です。

2026年度の試験構成

2026年度はCBT方式により後期に実施される予定です。現在公表されている科目構成は次のとおりです。

科目時間出題・解答形式
科目A-150分30問出題・30問解答多肢選択式
科目A-240分25問出題・25問解答多肢選択式
科目B-190分3問出題・2問解答記述式
科目B-2120分2問出題・1問解答論述式

科目A-1では情報処理技術者としての共通知識、科目A-2ではプロジェクトマネジメントの専門知識が中心になります。科目B-1は事例文を読んで状況に即した解答を書く記述式、科目B-2は自分の経験などを基に設問の要求へ答える論述式です。

科目B-1とB-2で問われること

科目B-1では、進捗遅延、品質問題、体制変更、要求変更、リスク顕在化などを含む事例から、プロジェクトの目的や制約に合った対応を読み取ります。一般的な管理手法を並べるのではなく、事例文のどの情報を根拠に、何を優先して判断するかが重要です。

科目B-2では、プロジェクトの背景、目標、自分の役割、発生した問題、判断、関係者との調整、結果と評価を筋道立てて記述します。大規模案件の経験があるだけで自動的に書けるわけではありません。自分が何を把握し、なぜその対応を選び、どのように成果を確認したのかを具体化する必要があります。

題材候補ごとに「目的・制約・リスク・対応・結果・改善点」を整理しておくと、設問に合わせて論文を組み立てやすくなります。

応用情報技術者試験との違い

応用情報技術者試験(AP)は、技術、マネジメント、ストラテジを幅広く扱います。プロジェクトマネージャ試験は、その中でもプロジェクトの計画、実行、監視・コントロール、終結といったマネジメント領域を深く扱い、記述と論文で判断過程を説明します。

IT全般の知識と応用力を幅広く示したい場合は応用情報、プロジェクトを主導する専門性を伸ばしたい場合はプロジェクトマネージャが候補です。応用情報で基礎を固めてから進む方法もありますが、受験順は必須ではありません。

ITストラテジスト試験との違い

ITストラテジスト試験は、経営戦略や事業戦略を踏まえてIT戦略・システム化構想を作る上流の役割を中心に扱います。プロジェクトマネージャ試験は、定められた目的を実現するためにプロジェクトを計画し、チームとステークホルダを動かして成果へ導く役割が中心です。

「何を、なぜ実現するか」を事業の視点から構想したいならITストラテジスト、「決まった目的を、どう実現するか」を責任をもって管理したいならプロジェクトマネージャという分け方ができます。実務では両方の視点が重なる場面もあります。

この試験が向いている人

  • プロジェクトマネージャ、チームリーダー、PMOとして働いている人
  • 進捗・課題・品質・リスクの管理を体系的に整理したい人
  • 顧客や複数部門との調整、合意形成を担っている人
  • 将来、より大きなプロジェクトや複数チームを統括したい人
  • 経験を論理的に説明し、マネジメント能力を示したい人

現時点でプロジェクト全体の責任者ではなくても、担当領域で計画、判断、調整、評価を行った経験は論文題材になり得ます。肩書だけで判断せず、自分が実際に担った役割を棚卸ししましょう。

学習を始める前に確認したいこと

  1. 最新のシラバスを読む:受験年度の出題範囲と用語を公式資料で確認します。
  2. 科目Aの弱点を分ける:共通知識とプロジェクトマネジメント専門知識を別々に確認します。
  3. 科目B-1の根拠探しを練習する:設問の要求と事例文の記述を対応させます。
  4. 論文題材を複数準備する:計画、リスク、ステークホルダ、チームなど、異なる論点で経験を整理します。
  5. 結果を数値と事実で整理する:対応前後の変化、評価方法、残った課題まで記録します。

2027年度の制度移行に注意

IPAは、現行試験制度を2026年度の実施で終了し、2027年度から新試験制度へ移行する予定を案内しています。受験機会、実施方式、科目、免除制度などの詳細は、今後の公式発表によって更新される可能性があります。

2026年度に受験する人は2026年度の案内を、2027年度以降を予定する人は新制度の案内を基準にしてください。過去の教材や体験記に書かれた実施方式を将来の試験へそのまま当てはめないことが大切です。

まとめ

プロジェクトマネージャ試験は、計画や進捗管理だけでなく、目的、チーム、リスク、変化、ステークホルダを総合的に扱い、プロジェクトを成果へ導く力を確認する試験です。科目Aの知識、科目B-1の事例読解、科目B-2の論文を分けて準備し、自分の判断と行動を具体的に説明できるようにしましょう。

最新の試験概要・実施方式・制度移行については、IPA「プロジェクトマネージャ試験」公式ページを確認してください。

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試験の概要を確認した後は、学習の進め方と実際の受験記録を読み比べると、自分に必要な準備を考えやすくなります。