1. タイトル
未経験からのコピーライター
2. ニックネーム
ハクビシン
3. 性別
男性
4. 最終学歴
大学院了(修士)
5. 転職前の業界
業種:メーカー系
職種:営業
雇用形態:正社員
年収:500万円
会社名:クリナップ
6. 転職後の業界
業種:その他
職種:クリエイティブ
雇用形態:正社員
年収:420万円
会社名:スペースアド
7. 転職前は何をしていた?
就職氷河期で、内定が出たら即、就職を決めたい気持ちで、キッチンメーカーのクリナップに就職しました。一部上場企業で、営業職ならつぶしが効くし、転職してもいいと思ったので入社を決めました。
2003年から2004年までの二年間、リフォーム会社を相手にキッチンの営業をしていました。キッチンを売るために、自分で、キッチンの施工プランを考え、それにオリジナルの広告のようなプレゼンシートを作って提案することで、興味を持ってもらえるように努力していました。その会社は、すでに有名だったので、基本的に、提案時も、「クリナップさんがそこまで言うなら」と、話を聞いてくれる土壌や、社員であることで有する、企業知名度がメリットでした。
悪かった点は、売り上げ至上主義だったので、上席は、まったくワークライフバランスを考えることなく、売り上げ目標を設定していたことです。社員を機械のようにしか見ていないので、休みたいなら売ってこい、の一言で、心や体のことは完全無視でした。
8. 転職を決めた理由
まず第一に、社員として人間として大事にされず、売り上げさえ上げればいいという扱い方だったことで、失望した点があります。しかし、それは入り口に過ぎません。キッチンを売るために、キッチンの良さや使い勝手のいいプランなどを、広告のようにして自分で提案シートを作っていたのですが、その経験でコピーで人が動くことの面白さや気持ちよさを実感したことが大きかったです。
その結果、元々、ライティングやコピーに興味があった気持ちに一気に火がついて、広告制作の仕事をしたい、と考えるようになりました。そう思いはじめて、コピーを意識したキッチン提案書を作成し、営業をしてみたのですが、やはり営業先での反応がいいので、気持ちが固まりました。
9. 転職活動について (転職成功時の年齢)
26歳
10. 転職活動について (利用した書籍、サービス等)
とにかく、クリエイティブ関連の書籍は、書店で目についたものを読み漁りました。覚えているものでは、おちまさと氏の書籍で、俯瞰の目や客観視することは、そこで初めて気が付きました。また、情報収集の一環として雑誌の宣伝会議はよく読みましたし、宣伝会議が主催するコピーライター講座にも通いました。この講座に通ったことで、広告制作の視点や広告制作を仕事にする、という部分の意識が高まりました。
11. 転職活動について (詳細)
未経験で、広告制作職に就くのは至難の業でした。なんせ、広告を作った実績がないので、何もアピールするものがないからです。気持ちだけは、誰にも負けませんが、実力を魅せるすべがない、これには苦しみました。
とりあえず、宣伝会議のコピーライター講座で書いたコピーや、そのコピーの中で、金賞をもらったものなどを、実績として提出しましたが、「所詮は講座でしょ」と鼻で笑われるような経験もしました。そのような対応に対して、相当頭に来たので、「では、無給でいいので仕事をください」と言い返したことも何度もあります。そのような経験から、想い以外に、広告制作するなら、どんな考え方で、どのように企画を作っていくのかと作り方も考えるようになりました。仮に、雑誌広告なら、出稿する雑誌のコアターゲットを分析して設定したり、その雑誌の読者投稿などから、読者の属性やパーソナリティ、傾向などを分析し、ターゲット視点で、広告企画を考えるべきである、という持論を持つようになり、それを面接などで、言葉で語るようにしていきました。そうすることで、実際に、仕事として対応することを想定していることや、過去の営業職の経験から、広告主の心理を分析してプレゼンすることなども自分の武器として語れるようになりました。
最終的には、マーケティング視点で、データや分析に基づいた広告制作を考えていることを強くアピールすることに繋がり、2005年になんとか採用をもらうことができました。転職活動を始めて1年間かかってのことでした。ただ、その採用をもらった段階で、すでに次の転職プランを考えていました。実際の仕事実績を作ったら、早い段階でもうワンランク上の会社に転職しようと思っていたので、無理を承知で大きめの仕事を受けたり、誰よりも制作本数をこなしたり、会社の費用負担があるのをいいことに、外部研修やセミナーにも多数参加しました。次の次を想定していたことは、我ながらよかったと振り返っています。
12. 転職後について
2005年から広告制作職を開始しました。
転職してよかった点は、まず、自分の力で、自分の望む仕事を手にしたという自負が持てたことです。その自負があることで、もっと前に進めるはず、という自信が持てました。そして、何より、次のステップに進むために必要な、実績=制作した広告が手に入ったのです。これは大きかったです。出稿した媒体もジャンプの裏表紙など大きな舞台だったので、箔が付いたと思います。
転職して悪かった点、考えたくはないですが、多少独りよがりになったところかもしれません。自分で未来を切り拓いたので、向こう見ずな自信もあったと思います。
13. これから挑戦する人へのメッセージ
やりたいことがあるなら、必ず挑戦したほうがいいと思います。成功でも失敗でも構いません。そこに挑んだこと、苦しんだこと、立ち上がったこと。それが、10年20年先に必ず返ってきます。もし、その、やりたいことを自分の手でつかむことができたなら、少なくとも、自分で自分を誇れるようになります。誇りを持った人間は、同時に、強さも手にすることができるはずです。一歩だけでいいので、前に出てみませんか。